原因① 過度のストレス
円形脱毛症は、頭部にコイン大の円形や楕円形の脱毛斑ができる疾患を指します。円形や楕円形が広がり、重症化すると完全に髪の毛が抜け落ちてしまう「全頭型」などに進行する場合もありますが、その原因はさまざまな要因が考えられています。
円形脱毛症と聞くと、多くの方がストレスが原因だと思われるのではないでしょうか?実際、過度なストレスが原因で円形脱毛症を発症したという人は非常に多く見られます。ストレスは「物理化学的ストレス」「生理的ストレス」「心理的ストレス」の3つに分けられます。ストレスに対する反応には個人差がありますが、私たちはストレスを受けると自律神経の交感神経が活発になり、血管が収縮しやすくなることで血行不良が起こります。
血行不良が起こると、髪の毛や頭皮に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、脱毛の原因になってしまいます。血行不良は体の末端に起こりやすいため、毛母細胞の働きが低下してしまいます。慢性的なストレスは、髪の毛だけでなく、体のさまざまな機能を低下させる原因になるため、溜めこまないように上手く発散することが大切です。
原因② 遺伝的要素
AGA(男性型脱毛症)は、遺伝的要素が強いことで知られていますが、円形脱毛症に関してはどうでしょう?一般的に多くの方に知られているのは、円形脱毛症はストレスが原因であるということですが、親が円形脱毛症の場合、子供に遺伝することはあるのか、気になるところです。
結論から言うと、円形脱毛症と遺伝的要素には深い関係があります。ある調査では、30~40%の確率で遺伝すると報告されています。二卵性双生児の場合は片方だけが発症するのに対し、一卵性双生児の場合は両者が円形脱毛症を発症する確率は55%と非常に高いのも、遺伝的要素が深く関係している証拠だといえるでしょう。
特に、髪の毛が完全に抜け落ちてしまう「全頭型」などの重い症状の方が、比較的軽いといわれている「単発型」よりも遺伝性が強いといわれています。ただ、円形脱毛症と遺伝の関係性は、医師によっても見解が異なりますし、調査結果からみても、60~70%は、遺伝以外の生活習慣などが原因だということになります。
食生活や生活習慣が同じであることから発症し、円形脱毛症と遺伝的要素が深いとされている部分もあるため、遺伝と決めつけることはないといえます。親が円形脱毛症だからといって、必ずしも子供に遺伝するわけではないため、深刻に考えることはやめ、不規則な生活習慣を改善していきましょう。
原因③ 出産によるホルモン変化
多くの女性は、出産後に大量の抜け毛が起こる「分娩後脱毛症」に悩まされます。その原因は、出産後、妊娠中に増加した女性ホルモンが急激に減少してしまうからです。
女性ホルモンには「エストロゲン」「プロゲステロン」という2種類が存在します。女性ホルモンは髪の毛の成長を促進したり、健康な髪の毛を維持する働きがあるため、出産後3ヶ月頃になると、抜け毛・薄毛といった症状があらわれやすくなります。
ほとんどの場合、1年ほどすると自然に治まるのが一般的ですが、慣れない育児でストレスを感じたり、体力が回復しないなどが原因でホルモンバランスの乱れが改善しない場合、分娩後脱毛症が悪化し、円形脱毛症を発症することもあるので注意が必要です。
原因④ アトピー素因
円形脱毛症には「アトピー性円形脱毛症」という名前があるほど、アトピーと円形脱毛症には深い関係があります。ある調査によると、円形脱毛症患者の40%が「アトピー素因」を持っているという報告があります。
アトピー素因とは、本人または家族がアトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を持っている状態で、アトピー性皮膚炎になりやすい要因であるということです。本人または家族がアトピー素因を持っている場合、円形脱毛症は50%に跳ね上がるほどです。
円形脱毛症の中でも、特に治療が難しいとされる「全頭型」などに、よりアトピー素因を持っている人が多いといわれています。ただ、アトピー素因を持っているからといって、必ずしもアトピー性皮膚炎や円形脱毛症を発症するとは限らないので、アトピーをコントロールする術を把握しておくことも大切です。
原因⑤ 自己免疫疾患
円形脱毛症について調べてみると「自己免疫疾患」という言葉をネットなどで目にすることが多いと思います。自己免疫疾患とは、細菌・ウィルス・微生物などの異物に対する免疫システムに異常が発生し、自己物質に対しても異物と認識してしまい、過剰に攻撃をしてしまう疾患です。
私たちは、外部刺激から体を守るためにウィルスなどを排除し、ガン細胞などの体内に不要な細胞を攻撃して排除する免疫機能が備わっています。しかし、ストレス・ウィルス感染などが原因で、ホルモンのバランスが崩れたり、自律神経が乱れることで、自己免疫疾患を発症してしまいます。
その明確な詳細は明らかではありませんが、自己免疫疾患を発症すると、毛包を異物と認識して攻撃を行うことで脱毛が起こり、円形脱毛症が引き起こります。